日南市北郷道の駅
自然豊かな緑に囲まれたやわらかな曲面屋根の休憩施設
 

年間約170万人の参拝者が訪れる、滋賀県の多賀大社の参拝者用トイレ。境内にある建物との調和とシンボル性の両立、長期的な耐久性が求められました。既存トイレが建っていた境内の計画エリア周辺には多くの木々が育っており、これらはかつて、参道を歩く参拝者から既存トイレを隠すように植えられた木々です。ハレの場としての明るい参道との対比として、木々に囲まれた既存環境を利用し、緑の風景とその間から差し込む木漏れ日を顕在化させることを考えました。
トイレ空間を2.6m高のコンクリート壁で囲み、その上に本殿を踏襲した反り屋根を架けています。室内ではプライベート性を保ちつつ境内の木々の緑が望め、木々の間から差し込む木漏れ日で満たされます。鉄骨梁と木梁を合板によりサンドして厚みを抑えた反り屋根は、軽やかで抽象的な存在となっています。。
ソリッドなコンクリートとその上に浮かぶ反り屋根の構成によって数百年に渡る境内の風景に馴染みつつ、現代的なシンボル性も併せ持つトイレを目指しました。

 用途:休憩施設
 敷地:滋賀県
 構造:RC造一部鉄骨造
 共同設計:村上康史建築設計事務所
 構造設計:MOF合同会社
 写真:高橋菜生
 
 

 

 

 
RC壁の上に浮かぶ鉄骨+木造の反り屋根
鉄骨+木梁の屋根架構と地震力を負担するRC壁によるハイブリッド型の構造としています。
曲げ加工し鉄骨梁に木梁を等ピッチで接合し、梁の上下面を構造用合板でサンドすることで剛性を高めながら天井下地を省略して屋根厚を抑え、1mの積雪荷重に耐えつつも軽やかに見える反り屋根を実現しました。
屋根の端部と中央付近に配した50角の無垢鉄骨柱はRC躯体内に埋め込まれ、屋根の鉛直力と地震力をRC壁に伝達しています。
本殿と関係付けられた配置

トイレは鳥居~拝殿へと向かう参道から外れた境内の端に位置しています。方向は境内の建物配置に従いつつも、トイレ中央に設けた休憩スペースから既存の木々の間を抜けながら視線が本殿へ向かうよう配置位置の調整を行い、本殿と関係づけています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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