日南市北郷道の駅
 
宮崎県日南市主催の(仮称)道の駅北郷設計デザインプロポーザルにおいて最優秀賞を頂いた時のデザイン案です。
 計画地は北郷駅から歩いて数分の場所に位置し、敷地に立ちますと各方面に山並みの風景を望むことができます。そして北側に広がる田畑の風景と南前面道路からのアクセスといった南北の方向性を意識します。同時に、東側のふれあい交流センターや図書館との連携、西側県道からの視認性といった、東西軸も重要になってくることがわかります。そこで一定の方向だけに開いた施設ではなく、各方面に対して顔を持たせることが重要であると考え、円形の平面形状を考えました。
 私たちはこの山並みに囲まれた豊かな風景に呼応するように、飫肥杉を編み込んでつくるやわらかな木の屋根に包まれた道の駅を提案しました。この屋根とそれを取り巻く複数の広場によって、多世代の人々が利用できるまちの拠点をつくります。
 

 用途:道の駅
敷地:宮崎県日南市
面積:1250m2
共同設計:村上康史建築設計事務所
 構造設計:MOF合同会社
 
 

 
外観
外観はやわらかな風景に馴染むことで多くの方々に愛着を持って頂ける佇まいとすることを考えました。周囲の山並みに呼応するようなやわらかに起伏する屋根をかけ、高く開放的なところや低く落ち着いたところといった場をつくります。
 この屋根は、北郷地区で生産が盛んなスイートピーの花びらからもイメージを得ています。 この起伏する屋根を放射状に連続させることで、多方向に開き、各方面に顔を持つことができます。

 

俯瞰イメージ
各機能を分散させることで、それぞれの場所が屋外とつながり、賑わいを拡げることができます。物産の買い物に来た人、カフェでゆっくりと過ごしたい人がそれぞれの空間で過ごすことができます。各機能を放射状に配置することで多方向に開くことができ、それぞれの風景に適した用途を配置することで、場所ごとに特徴が生まれます。

 

中央広場
建物を放射状に配置することで、中央に広場が生まれます。
 中央の直径30mの多目的広場はフリーマーケットやワークショップなどのイベントを行ったりするなど多様な使い方が可能です。各棟に囲まれながらも抜けをつくることで賑わいが周囲に波及していきます。
 
連続するオープンスペース
広々とした遊具広場は周辺の風景を望むことができる開かれた場所であり、親子で賑わいを創出します。
 
観光案内・情報発信スペース
観光案内・休憩スペースは駐車場や多目的広場に向かって開かれています。トイレは駐車場からアクセスしやすい一方、他の棟から入口が見えないため、プライバシーに配慮したプランとなっています。 隣接して情報発信、観光案内スペースがあり、市内の情報に触れやすい配置としています。

  

物販販売スペース
物産販売は多目的広場や南側の道路、そして森の広場にも開かれています。
 室内はガラス壁付近を地元企業のPRスペースとして計画し、バックヤード周辺の直射日光が当たらない場所を食品販売の場所として計画します。
 
 
レストラン・カフェスペース
地域住民の方々も日常的に利用するレストラン・カフェは北側の田畑に向かって開かれた落ち着きのある場所に配置しています。 ブックスペースが隣接しており、屋外や半屋外のテラス席も設けています。
  外側へ向かって開かれたレストランは天井の高い開放的で心地よい空間となっています。レストランからは遊具広場もよく見え、広場で遊ぶ子供を見守りながら、親同士がゆっくりとお茶をするといったことも想定できます。
 
外観
南側の道路から見たイメージです。多目的広場や物産販売棟が道路に向かって開かれており、施設内へ人々を引き込みます。
  
 
プラン
 
この道の駅はまちのリビングのような生活拠点となり、同時に北郷地区や日南市の魅力を発信する拠点となります。 人々の活動を大らかに包むやわらかな屋根と公園のようなランドスケープは、北郷地区の新たな風景となっていきます。
 
 
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